SSH大学模擬講義『 理系こそ英語と国語、文系こそ理科と数学が必須 』 斎藤 恭一 教授
令和6年度 SSH大学模擬講義 対象 1年生 令和6年10月23日(水)本校りんどうホール
【演題】『 理系こそ英語と国語、文系こそ理科と数学が必須 』
【講師】斎藤 恭一 教授
本校での講義は9年目になる、千葉大学名誉教授の 斎藤恭一先生をお招きして大学模擬講義を行った。
斎藤教授では放射性物質を含んだ汚染水から放射性物質を除去できる「吸着繊維ガガ」を研究開発した。吸着繊維ガガは現在、東電福島第一原発で起きたメルトダウン事故に伴って大量に発生した汚染水処理に役立っている。講義の内容は、吸着繊維の仕組みやこの研究にいたるまでの過程を講義していただいた。更に、新しい研究を世の中に知ってもらうためには、論文、特許、そして解説記事を書く必要があり、理系では理科や数学だけが必要なのではなく国語と英語が必須であり、文系では科学的知識や論理的思考能力が必要ということを強く訴えてくださった。
以下は生徒の振り返りです。
講義の内容に共感が持てたことは何か
「理系にこそ国語や英語というところで、確かに実験の成果や過程を伝えたり,発表したりする時に簡潔に伝える能力読み取る能力というのは理系だけでは補えない物だなと共感した。自分は理系に進みたいと思っていたが、その考えは自分の可能性を狭めてしまっているということがわかったので今だからこそたくさんの分野の知識を身につけたいと思った。」
「勉強には一生懸命ではなく真剣に向き合わないといけないということです。いくら一生懸命やろうともその問題に真剣に向き合っていなければ方向性を見失ったり真の部分まで理解しきれないからで、自分にもそういう景観があるからです。」
模擬講義に参加したことで、高校生活にどのような変化をもたらしそうか
「夢っていうのは最初から決まっている物でもなくて、やりたいものだってやっているうちに気づくということです。こんな偉業を成し遂げた斎藤先生でさえ、泣く泣く研究員になり実験を探す中でたまたま教授から渡された新聞の記事が今の斎藤先生のやっていることにつながり、今後もやりたいことにつながり、そして原動力になっているとおっしゃっていました。学校生活、勉強も忙しく進路も迫られる中ですごく大変ですが、まずは自分の目の前にあることに真剣に向き合いつつ一つ一つこなしていきたいです。そういう面で高校生活に変化をもたらしそうです。」
「文系、理系という、勉強の方に捉われずに、様々な分野を学ぶことで知見を深めていきたいと思い、探究の楽しさを知ることができそうだ。」
「挑戦せずに批判したり何もしない人にはならないでしっかりと何事にも挑戦するか最低でも挑戦する人の助けになろうと思いました。」
感想
「斎藤先生の講義、ものすごく面白かったです。時間は長かったはずなのにユーモア溢れる講義のおかげですごく短く感じました。講義を受けてすごく感じたのは全ての面で物事は繋がっているということです。例えば斎藤先生が冒頭におっしゃっていた「接ぎ木」の話で、全然科学の分野に関係ないのに何で話すんだろうと思いながら講義を聞いていました。しかし、海水ウランの話に入った時に全ての鍵が接ぎ木なんだなとやっとその話をしていたことを理解しました。他にも浄水器の中身の中空糸膜のお話で、この中空糸膜が後の話につながったり、セシウムを除去する段階でまた接ぎ木の技術が使われたりと本当にいろんなところで繋がっているんだなと実感しました。これは先生が教授が言っていたことで、全ての選択肢を狭めるなとありましたがそれも全て繋がっているからなんだなと感じました。
大学という場所においても行く機会はまだ少ないし、講義を見るとかうけるとかそういうことは滅多にないのに加えて大学でできるとことを教授目線から教えてくださり特に発信型になれるという面ではすごく興味深いものになりました。
これからは、挑戦し続け、挑戦する人を助けながら3位までに入れるように頑張ります。授業中は雪山にいると思って寝ずに真剣に授業に向き合いたいです。
斎藤先生本日は本当に素晴らしい講義ありがとうございました。」
「今回の講義で学んだことは、自分の探究欲や挑戦心を、文系、理系などの極端な方に落とし込んではいけないことを知った。
自分は国社英の他に、取り組んでみたい分野である、科学や生物、向き合わなければならない数学に対してさらなる学びを追い求めていきたいと思った。」
「今まで受けた講義の中で一番面白くて興味を持つことができた内容でした。私は将来の夢はすぐに決めなければいけないものだと思っていたけれど今日の話を聴いてさまざまなことに挑戦してから自分の夢を見つけていきたいと思いました。今日は素敵な講演をありがとうございました。とても面白かったです!」
文責 大塚寿