人権教育講演会を実施しました!
10月16日(水)に人権教育講演会を実施しました。
今年度は、デフフットサル女子日本代表監督の山本典城さんとデフフットサル女子日本代表主将の岩渕亜依さんに講師として来ていただき、スポーツの視点から人権について講演をしていただきました。デフ(Deaf)は聴覚に障害があるという意味であり、耳が聞こえない人がどのようにフットサルをするのだろう、どのようにコミュニケーションをとるのだろうという素朴な疑問から講演が始まりました。
山本さんは、もともと健常者のフットサル選手であり、デフフットサルに関わり始めたときには耳が聞こえない選手たちとどのようにコミュニケーションをとればよいか戸惑ったと言います。また、その時に選手同士は自然にコミュニケーションをとっており、耳が聞こえる自分だけが輪の中に入れないもどかしさを体験したそうで、そこからコミュニケーションの在り方を考えたそうです。
音を介さないコミュニケーションの方法は、「手話」「口話」「ジェスチャー」「筆談」「携帯メモ」「PCメモ」「携帯アプリ」「空書」などさまざまあることも教えていただき、手話ができないからコミュニケーションをとれないということではないということに気づかされました。
岩渕さんは、生まれつき耳が聞こえないそうですが、練習をしたそうで話すことができます。携帯アプリを使って、周りの音を文字に変えて認識し、自身は手話と言葉を使って会話を成立させるというコミュニケーションをとってらっしゃいました。講演の中で、視覚的な情報では健常者との差はないので「障害はない」、音の情報しかないものについては把握できないことがあるので「障害がある」と話されてらっしゃいました。
また、生徒に向けては、耳が聞こえる/聞こえないに関わらず、「ちょっとした配慮が障害をなくす」というメッセージを発信していただき、「障害」そのものの概念について理解を深めることができました。
生徒が口話やジェスチャーでどのくらい伝えられるのかを実演してみる時間もありました。「ある程度伝わるという発見」と「伝えるのは難しいという実感」があったようでした。
また、今回の講演では、デフリンピックについても紹介がありました。以前行われた大会の会場の様子を動画で見せていただきましたが、観客は大きな声で応援をしており、オリンピックと変わらない雰囲気でした。生徒の素朴な疑問として、「声を出して応援していいんだろうか」というものがありました。山本さんからの回答は「声を出して構わない。選手に音は届かないかもしれないけれど、応援したいという気持ちは伝わる。そこに障害の有無はない。」というものでした。「障害」について会場全体が深く考えさせられた瞬間でした。
最後に、2025年東京デフリンピックについても紹介していただきました。来年東京で開催されるということもあり、単純にスポーツイベントとして興味をもった生徒が(教職員も)多く、見に行ってみようと話題になっています。貴重な講演を聞くことができました。今後の学校生活に活かしていきたいと考えています。