SSH大学模擬講義 【講師】斎藤 恭一 教授
令和5年度 SSH大学模擬講義 対象 1年生 令和5年10月25日(水)本校りんどうホール
【演題】『課題解決型の大学の研究「吸着繊維ガガ」〜 理系こそ、国語と英語 〜』
【講師】斎藤 恭一 教授 早稲田大学 理工学術院 客員上級研究員(研究院客員教授)
本校での講義は8年目になる、早稲田大学 斎藤恭一先生をお招きして大学模擬講義を行った。
斎藤教授は前任の千葉大学研究室で放射生物質を含んだ汚染水から放射性物質を除去できる「吸着繊維ガガ」を研究開発した。吸着繊維ガガは現在、東電福島第一原発で起きたメルトダウン事故に伴って大量に発生した汚染水処理に役立っている。講義の内容は、吸着繊維の仕組みやこの研究にいたるまでの過程を講義していただいた。更に、新しい研究を世の中に知ってもらうためには、論文、特許、そして解説記事を書く必要があり、理系では理科だけが必要なのではなく国語と英語が必須であり、文系では科学的知識や論理的思考能力が必要ということを強く訴えてくださった。
以下は生徒の振り返りです。
「今日の講義では、大学で先生が行われた研究とその内容、そして大学にいる人がどのようなことをするのかを知ることができました。先生の話にはユーモアがあり、とても聞きやすく、興味を惹かれるような内容で驚かされました。研究内容についても、どのような理由でこうなるのか、どうしてそうなるのか、などをわかりやすく伝えていて、参考になりました。」
「学ぶことの意義や大学に行くことの大切さやそこでどんなことをするのかを知ることができてとても良かった。この機会を活かしてこれからの学校生活をより豊かに、真剣に取り組むことができれば良いと思いました。」
「知っているようで詳しく知らない内容がたくさんあって聞いていてとても興味深かった。今までは理系は理系の勉強、文系は文系の勉強と勝手に分かれていると思っていたけど理系でも国語が必要と聞いて考え方が変わりました。私は国語が好きだけれど理系に行きたいと考えていて理系に力をいれなければいけないと思っていたけど好きな国語も頑張ろうと思いました。」
「研究したことのほかにも今後の自分達の生活に必要なこと、大事なことをたくさん教えていただきました。とくに印象に残っているのは、カガに対して批判した人と結びつけて、どのようなことをする人が偉いのか話していたことです。失敗を恐れず何事にも挑戦していきたいと思いました。また、先生の講義はユーモアがあり相手の記憶によく残る講義でした。相手に発信する時には記憶に残るような工夫も必要であることがわかりました。」
「放射性物質は昔からずっと日本にも振り続けていたということに驚きました。それと同時に人間が地球の寿命を縮めているということに、私たちは何かできることはないのか、何かやるべきことはないのかと思いました。何事にも真剣に取り組むようにしたいです。」
「高校を卒業して大学へ行くことがなんとなくになりかけてしまっていた自分を治す機会になり、自分は理系の道に進みたいと思っているので今回の講義はとてもためになった。また、社会などの勉強から逃げている自分にささる部分や、授業中に寝たら死ぬという意識で全く取り組んでいない自分に図星になっている内容がいくつかあったので意識を変えていきたいと思った。」
文責 大塚寿