SSH特別講演会を行いました【講師】宮坂 力 先生
令和5年度 SSH特別講演会 対象 全校生徒 令和5年9月28日(木)
RaiBoC Hall(さいたま市民会館おおみや)
【演題】化学で作る高効率の太陽電池―色素増感とペロブスカイト
【講師】宮坂 力 先生 桐蔭横浜大学 大学院工学研究科 教授
今年度のSSH特別講演会は有機無機ハイブリッド構造の光電変換素子の研究および有機無機ペロブスカイトを用いる太陽電池の開発者である宮坂 力先生をお招きしてRaiBoC Hall 大ホールで行いました。
生徒は事前に「ペロブスカイト太陽電池」を紹介するYouTubeを各自で視聴し、ペロブスカイト太陽電池についての基礎知識を学び講演に臨みました(https://www.youtube.com/watch?v=derQk7Pi_kk)
宮坂先生の講演は太陽エネルギーの基礎知識を紹介しながら化学で作る太陽電池の特徴を解説することから始まりました。日本のエネルギー問題にもふれ、色素増感太陽電池に代表される「化学で作る太陽電池」は安価に作れるだけでなく屋内の弱い光に対しても高い発電効率をもつことで実用化が始まっていることや、色素増感太陽電池がきっかけで、日本で宮坂先生を中心として発明されたペロブスカイト太陽電池は次世代太陽電池としてトップクラスの効率(26%)を達成し世界で4万人近くが研究を進め多くの企業が実用化に乗り出していること、残念ながら日本企業や研究者の取り組みが少ないこと等の内容で90分の講演があっという間に感じるほどのお話しでした。30分間の質疑応答の時間では、生徒からの質問は途切れるがことなく、その一つ一つに丁寧に回答してくださり充実した内容でした。最後にお礼の言葉を 生徒会長(普通科2年)が伝え、宮坂先生に花束を贈呈して講演会を締めくくりました。
以下は生徒の振り返りです。
- 今回の講演会は分からない言葉とかもたくさん出てきて難しめの話だったけど、先生がしっかりと説明してくださったのである程度のことは理解することができたんじゃないかなと思います。太陽光発電や電池についてノーベル賞に近い方に講演して頂ける機会はこれからそうないと思うのでとても貴重な経験になったと思います。今回の講演をこれからの授業に生かしていけたらいいなと思いました。先生の話を聞いて、今の私達の世代から社会で起こってる問題について考えることが大切だなと思いました。長い時間だったけどちゃんと話を聞くことができたので良かったです。(普通科1年)
- 最初の方は難しい説明から始まり、なんのことを話しているのか分からなかったが、徐々に使用方法や何に活かせるのかを分かりやすく解説していたので、後半は理解ができた。日本は太陽光パネルを設置する場所が限られていると聞いたことがあるが、ペロブスカイトの利点である薄さや曲げやすいという点は、パネルを様々な場所に設置できるようになり、可能性を広げてくれるということなので、これからの日本の発展に重要なポイントとして活躍してくれるのではないかと思った。(理数科2年)
- 今回のテーマは色素増感電池でありこれは去年SSH発表会で前の3年生が行なっていた研究と同じであることもあり最初は何の話をしているのか理解出来ずにいたのですが、同じであると気づいた時に高校生の研究は最先端の研究にもつながっているのかと知り、また身近なものに取って代わるものだとしってとてもためになるものだと思いました。今回のことは良い経験になったと思いました。(普通科2年)
- ペロブスカイト型の太陽光電池の名前は聞いたことがあり、先生をテレビで拝見したことはあったが、そもそもペロブスカイトとは何かを理解していなかったので、直接お話を聞くことができ、理解や関心を深めることができた。また化学だけではなく物理や生物などの他分野にも関連させながら話をして下さったのでとても理解しやすかった。(理数科3年)
- 宮坂先生みたいに自分がやりたいことをやれるようになるには、やっぱり今の受験勉強を頑張って、良い大学で良い教育を受けることが大切だと思ったので、もうそんなに時間は残されていませんが、残り少ない時間をより質良く数のある勉強時間にしていきたいです(普通科3年)
文責 大塚寿