SSH 2022.11.15

SSH特別講演会は2015年ノーベル物理学賞受賞の梶田隆章先生をお招きして行いました

令和4年度 SSH特別講演会            対象 全校生徒     令和4年10月7日(金)本校体育館大アリーナ

 

【演題】「神岡でのニュートリノ研究を振り返って」

 

【講師】梶⽥ 隆章 教授    東京⼤学特別栄誉教授・卓越教授 東京⼤学宇宙線研究所 教授

 

今年度のSSH特別講演会は2015年ノーベル物理学賞受賞の梶田隆章先生をお招きして行いました。当初は9月27日(月)埼玉会館大ホールで行う企画でしたが、梶田先生が安倍晋三元首相の国葬に日本学術会議会長として参列されることになり変更となりました。

講演前にビデオ「進化し続けるスーパーカミオカンデ」を視聴し、ニュートリノについての基礎知識や神岡におけるニュートリノの歴史を学び講演に臨みました。

梶田先生の講演は先生自身の物理学への道筋を高校生の頃からのエピソードを交えながらお話しすることから始まり、ニュートリノに小さな質量が発見されるまでの研究の過程とその意義を生徒にわかりやすく講演してくださいました。講演全体を通して、お話しの合間に生徒に向けたアドバイスを盛り込む構成で60分の講演があっという間に感じるほどたくさんの知識と多くの示唆を生徒に伝えるお話しでした。講演後の質疑応答は生徒からの質問が後を絶たず、先生も一つ一つの質問に丁寧に応えてくださり、予定時間の30分を超えるほど充実した内容でした。最後にお礼の言葉を 石戸谷亮太 生徒会長(理数科2年)が伝え、梶田先生に花束を贈呈して講演会を締めくくりました。

 

≪以下は生徒の振り返りです≫

・「今回の講演ではニュートリノ研究の最前線にいた方がお話ししてくれて、ニュートリノやスーパーカミオカンデについて詳しく知ることが出来ました。お話しの中で難しい内容の部分も簡単に分かりやすく説明してくださりとてもわかりやすかったし、聞いていて楽しかったです。梶田先生の講演のまとめの時に、高校生のうちから将来の目標や夢などを考えていた方がいいとおっしゃっていました。なので、これからの高校生活では将来の夢などをある程度考えながら生活していきたいです。」(理数科1年)

 

・「ノーベル賞をとる教授でも部活はしっかりとしていてその上で東京大学に行けるのはすごいとおもいました。ニュートリノは今まで全く耳にしたことがなかったけれど、教授の話を聞いてみると僕たちの体を常に兆単位で貫通してることに驚くと共にとても身近なものなのだと分かりました。途中途中難しくて100パーセント分かった訳ではないけれど化学には宇宙にも続くロマンがあるなと思いました。」(普通科1年)

 

・「カミオカンデという単語は耳にしたことがあるだけで知識は何も無かったため今回お話を聞けてよかったです。カミオカンデ、スーパーカミオカンデ、そしてハイパーカミオカンデとどんどん規模が大きくなっていく研究は時間と労力をとても必要とするため研究者の人々の忍耐力は凄まじいなと思いました。」(理数科2年)

 

・「私にも没頭できることがほしいと思いました。専門性の高い話で全てが理解できたわけではありませんが、物理だけでなく天文学分野や英語の知識が必要なことが窺えて、今私たちが様々な分野を学んでいることの意義を感じることができました。」(普通科2年)

 

・「事前に素粒子に関する本を一冊読んできて今回の講演に臨んだこともあり、素粒子、特によく話題に上がるニュートリノに関することについて、かなり理解が深まりました。自分が最も興味を持っている分野の一つであるので、将来的に研究をするモチベーションにつながったと思います。今回はありがとうございました。」(理数科3年)

 

・「ニュートリノについて、初めは目的だった実験のノイズだったのに、その問題解決の為に徹底的に研究していくのが凄い信念だと思った。また、日本にある実験施設が、国際的に活用されて色々な国の人と協力して実験しているという事だったので、専門知識とそれを英語で伝えられる力をつけたいと思った。質疑応答の時に手を挙げることができなかったけれど、大気圏でうまれるニュートリノは、地球を抜けた後大気圏を出るのか、その前に別の物になるのか、跳ね返るような動きをするのか、気になった。」(普通科3年)

 

文責 大塚寿

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