学校からのお知らせ 2017.10.02

SSH特別講演会を実施しました

9月20日(水)、市民会館おおみやにおいて、東京理科大学学長の藤嶋昭先生をお招きしてSSH特別講演会を実施しました。藤嶋先生は初代東京大学特別栄誉教授、日本化学会会長、日本学術会議会員、光化学協会会長などを歴任し、現在東京理科大学の学長を務められています。専門は光電気化学、機能材料化学で、特に「光触媒」について深く研究されています。また、研究の業績が世界に認められ、毎年ノーベル賞受賞候補者として名前が挙げられている方です。

「偉大な先人に学びつつ、自らを高めよう」という演題は、本校の生徒にとって科学の探究心を大いに感じさせる講演でした。中国古典の「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」という言葉を引用し、研究の楽しさ、身の周りの現象の面白さを知る喜びは格別であるというお話がとても印象的でした。

また、講演後には生徒から多くの質問を受けてくださり、ステージに上がった生徒らにサイン入りの著書をプレゼントするという場面もありました。生徒らは偉大な科学者の前で堂々と質問をさせていただき、科学に対する関心の高さを改めて認識することができました。今後も大いに科学に興味を持ち、主体的な態度で、判断力、表現力を養ってほしいと思います。

以下、生徒達の感想を紹介します。

 

1年女子

SSH特別講演会では何の話をするのか、最初は全く想像がつきませんでした。私は、理系の勉強はあまり好きではないので、正直、つまらなそうだと思っていました。しかし、講演をきいたら、教授の説明が分かりやすく、気がつけば、話にすごく集中していました。化学が苦手な私でも、分かりやすいような話だったし、なにより偉人の偉大さが分かりました。また、知っている名前が出ても、何をしたかは分からなかったので、そのような知識も得ることができました。また、普段の生活において、疑問をもつことは、本当に大事なことであり、私達は、常に勉強をしているのだと感じました。だから、日常にあるものに興味をもつことをもっと感じた方が良いと思いました。自分の受験勉強が始まる前に、勉強が楽しいと思えるようになったら良いと思いました。

 

2年女子

「光触媒」という言葉はあまり馴染みがなかったのですが、鏡が曇らなくなったり、手術室を無菌状態にしたり、建築物の白さを保ったりすることに使われている、というお話を聞いて、結構、身近なところで使われているのだと思いました。家で調べてみると、光触媒とは、光の吸収により触媒として働く物質で、光を吸収して生成した励起電子などが、エネルギー移動や電子移動により他の物質に化学変化を起こさせるものであるということが分かり、このような複雑な仕組みを利用し、研究を始めたのが藤嶋先生というのが、驚きでした。50年前からずっと研究を続けていると聞いて、根気が切れずに同じことを続けることができるのは、本当にそのことに興味があるからなのだと思ったので、私はそれが羨ましかったです。私も、そんな風に一生を懸けて追う何かを見つけたいと思いました。とても興味深いと思ったのが、「水」と「氷」の話です。基本的に全ての物質は、液体から固体になると重くなる、しかし、水の場合は、凍らせて氷にすると、水よりも軽くなって浮く、それは密度が小さいから。氷が水に浮くことは自分では当たり前のことだと思っていたけれども、そこで疑問に思って立ち止まって考えられるのが、すごいと思いました。私も、身の回りの当たり前について、もっと深く考えなければならないと思いました。偉人から学ぶ名言のなかで、私の心に残ったのは、「自然は飛躍して進まない」という言葉と「燃焼とは物質と酸素が結合することである」という言葉の2つです。私が、この2つの名言から学んだことは、何事もすぐには成し遂げることはできないから、地道に1つ1つ努力を重ねていこうということと、結果には必ず何か原因があるから、その原因を解明していこうということです。短い時間の中に、自分がこれから生きていくために大切なことがたくさんつまっていました。藤嶋先生の貴重なお話を聞くことができて、本当に良かったと思いました。この気持ちは忘れてはもったいないことだと思うので、感想の紙は大切にとっておこうと思いました。

 

3年男子

光触媒については知っていたが、その利用方法についてはあまり知らなかったので、知識の幅を広げられて良かったと思う。特に、質問コーナーの時の酸化チタンコートされたタイルの耐久が分からないほど長いことには驚いた。また、先生の自宅にも光触媒の外壁が使われていることは予想通りであった。偉人と中国古典の関係性についての話も興味深かった。孔子の考えが偉人の考えと共通していて、思想はたくさんあるが、ある程度はまとまるのではないかと思った。それにしても、そのことに目を向け、見つけたのはすごいと思う。3人1組、1人3役では全くその通りだと思った。また、歴史の用語は、3つずつ覚えると良いと聞いたことがあり、3という数字は人間にとって、深い関係があると思った。また、先生は、日常で不思議と思うことについて研究してみるのも良いと言っていた。一見、理系に言っているのかと思ったが、文系にも通じるものがあると思った。不思議に思う言葉も、調べてみれば、案外面白いかもしれない。資源が少ない日本だからこそ、こういったことが必要なのではないかと思う。

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